平成27年予算審査特別委員会 総括質疑( 3月 3日)

 

 下記は質問と答の全内容↓

  ○(筒井たかひさ委員) 

 おはようございます。自由民主党議員団を代表して、平成27年度予算案に関して総括質疑をさせていただきます。 まず、公共施設の効果的・効率的な活用の推進について伺います。

 基本計画の重要プロジェクトの一つに掲げられている公共施設の効果的・効率的な活用に関しては、私ども自民党は早くから施設の更新時期の一斉到来を指摘し、施設白書を更新して全体像を把握することや、施設更新に向けた体制づくりをすべきとの提言を行ってきました。

区は、これらを受け、平成23年度に施設白書を更新し、平成26年度には組織横断的に公共施設の活用を推進するため新たな組織をつくりました。まことに時宜を捉えた対応であったと思っております。平成26年度、この組織がどのようなことに取り組み、成果はどのようなものであったのか、具体的にお示しください。

 

  ○(特命担当部長) 

 ご質問にお答えいたします。

まず、平成26年度に設置いたしました組織について申し上げます。

 共施設の効果的・効率的な活用を推進するため、政策経営部に特命担当部長のもと、サービスや機能面から全庁調整を行う施設計画担当課長を設置いたしました。また、施設維持にも積極的にかかわる組織として、総務部に施設管理担当部長を置き、そのもとに技術面から各部調整を行う施設改修計画担当課長を設置するとともに、施設の修繕などの施設の維持管理を行う施設維持課長を設置したところでございます。

 具体的な取り組みといたしましては、これらの新しい組織と各部が連携して、公共施設の改築・改修の実施に向けた具体的方針といたしまして、代替施設及び用地に関する方針ですとか、公共施設の改築または改修の判断に関する方針を策定したところでございます。また、これらの方針に基づきまして、新しい組織と関係する各部・各課とが連携いたしまして、サービスのあり方の検討を前提にしながら、建物の老朽度、代替用地や施設の確保状況、周辺施設の設置状況や利用状況等を考慮しながら、改築・改修の検討を行ったところでございます。

 具体的には、子育て支援施設の更新計画の策定、学校の改築・改修候補校の選定、廃止となる保健センター跡地の活用の調整などを行ったところでございます。一方で、今後の保全のあり方を検討し、区有建築物の予防保全にかかわる基本方針を策定するとともに、施設を快適に利用していただけるよう、地域コミュニティ施設を中心に内装の修繕や手すりの設置などについて行ったところでございます。このようなさまざまな取り組みの結果、一定の成果をおさめることができたと考えているところでございます。

 以上でございます。

 

 ○(筒井たかひさ委員) 

 さまざまな取り組みをしていただいたことについては評価いたします。

 そこで、今後の公共施設の活用の進め方についてですが、平成26年4月の総務大臣通知により、国から公共施設等総合管理計画の策定が要請されています。これは、厳しい財政状況が続く中で、地方公共団体において、今後、人口減少などで公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されています。そこで、急激な人口構造の変化に対して、早急に公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点を持って、更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減、平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現することが必要とされることから、国において推進しようとするものであり、まさに我が会派が葛飾区の公共施設の状況を鑑み早くから対策を求めてきた内容であります。

 平成18年に策定した葛飾区公共施設見直し推進計画をはじめ、施設白書、基本計画などに示されてきた葛飾区の公共施設活用に関する方針を踏まえながら、早急に公共施設に対する本区の方針をこの公共施設等総合管理計画として策定すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 

  ○(特命担当部長) 

 ご質問にお答えをいたします。

 本区におきましては、平成27年度から2カ年かけまして、民間事業者の業務支援を受けながら、公共施設等総合管理計画を策定してまいります。公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、国から策定に当たっての指針が示されております。具体的には、公共施設等の現況及び将来の見通し、公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針、施設類型ごとの管理に関する基本的な方針を定めることとされております。

 この計画には、学校や福祉施設等の建築物だけではなく、道路や橋梁、公園など、いわゆるインフラも含めた計画の策定が求められております。これまで、本区におきましては、葛飾区基本計画をはじめ、公共施設見直し推進計画や施設白書、道路施設白書、橋梁長寿命化修繕計画などで、公共施設の活用や維持管理につきまして考え方を示してきたところでございます。これらの計画等を踏まえつつ、安全確保や長寿命化の実施方針、サービスのあり方を踏まえた効果的・効率的な施設とするための維持管理、修繕、更新等の実施方針などを定めまして、区の全ての施設に係る方針として公共施設等総合管理計画の策定を進めてまいります。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 早急に今後の公共施設活用の指針となる計画を作成していただくよう、要望いたします。

 平成25年第4回定例会でも私から質問させていただきましたが、人口減少社会の到来を迎え、区財政が厳しい状況下に置かれることが予測される中、400を超える公共施設をこのまま維持することは困難だとしか思えません。公共施設等総合管理計画においては、これまでの方針として示されてきた施設の長寿命化を図りながら、区民にとっての必要なサービスを見きわめ、必要な改築を計画的に実施するという公共施設の効果的・効率的な活用に取り組む姿勢をしっかり示していただきたいと要望いたします。そして、そのためには、各施設の老朽化の状況などをしっかりと把握、分析することが重要であると考えます。

 そこでお尋ねします。施設の長寿命化や必要に応じた改築などの方針検討に当たって、点検や施設データの管理についてはどのような取り組みをされているのでしょうか。また、そのデータ等を施設の更新や長寿命化の計画策定にいかに活用していくのか、伺います。

 

  ○(施設管理担当部長)

 それでは、点検や施設データの管理及びその活用についてお答えをいたします。

 本区におきましては、平成24年度に施設情報管理システムを稼働させ、図面や施設台帳等、紙ベースだった施設情報の電子化を進めてまいりました。また、施設の点検につきましては、営繕課によります建築基準法に基づく定期点検やコンクリート強度の劣化調査等のほか、各施設を所管する課で行っております法定点検、日常的な保守点検等がございますが、こうした点検調査の結果も必要に応じて施設情報管理システムに反映をし、施設更新の検討資料として活用をしてまいります。

 一方、施設長寿命化の取り組みとして、来年度は区有建築物の予防保全に係る基本方針を踏まえて保全経費の長期的推計を行い、具体的な保全工事計画を策定する予定でございます。点検調査の結果は、この計画策定の際にも、工事時期の分散による財政負担の平準化、あるいは工事箇所の集約による効果的・効率的な工事の実施などにも十分活用をしていきたいと考えております。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 点検をした結果、すぐには改築までには至らない施設も多いと思います。しかし、長年の使用により内装が汚れてしまったり、破損箇所が放置されていたり、使用しにくいといった施設もあります。こうした施設についても、区民に安全に快適に利用していただくための対応も重要であると思いますが、いかがですか。

 

  ○(施設管理担当部長)

 ご質問にお答えいたします。

 ただいまお話をいただきましたが、すぐに改築に至らない施設の中には、内装等の劣化、あるいはユニバーサルデザインの観点から配慮が十分でないもの、こうした施設もございます。これらにつきましては、大規模な改修工事の際に、劣化した壁あるいは床の張りかえ、スロープ・手すりの設置等、こうした項目を組み合わせて快適性・利便性の向上に努めてまいります。また、今年度新しくできた施設維持課では、集い交流館等、地域コミュニティ施設を中心に内装の傷みなどについて迅速に対応するスピード修繕を行っているところでございます。

 今後も、各施設を管理する課とも十分に連携をとって、安全かつ快適にご利用していただく取り組みを進めていきたいと、このように考えてございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 コミュニティ施設の修繕については、いろいろと伺っています。私の地元の地域でも、亀有北集い交流館の会議室のクロスやふすまの張りかえや、和室の腰かけを修繕いただき、見違えるようにきれいになりました。こうした取り組みは非常に有用なものであると思いますが、具体的にはどのような修繕を行っているのでしょうか。また、この取り組みの進捗状況についてご説明ください。

 

  ○(施設管理担当部長)

 それでは、お答えをいたします。

 まず、修繕の内容でございます。各施設の調査・点検の結果に基づいて、傷んだ内壁・クロスの張りかえ、塗装、それから床・畳・建具の補修、洗浄等、即効性のある修繕を中心に実施をしているところでございます。また、こうした修繕にあわせて、和室入り口の腰かけベンチや手すりの設置、段差解消、収納庫の改良、温水洗浄式便座の設置等、施設を使われる方にとってより快適で安全なものとなりますよう、工夫もさせていただいているところでございます。

 次に、この進捗状況でございますけれども、今年度は集い交流館全30館、地区センター全19館、これらについて点検・調査をし、このうち集い交流館27館、地区センター6館について、今年度末までに修繕を完了する予定でございます。

 来年度でございますけれども、修繕未実施の地区センター13館、集い交流館1館の修繕とともに、憩い交流館等の点検・調査を実施し、順次、修繕にも取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 全ての公共施設の点検を行った上で、それぞれの施設情報をデータ化し、それに基づく適切な維持管理と修繕、そして老朽化した施設については、その施設で実施されるサービスのあり方を踏まえて、更新すべき施設は計画的に着実に実施していく、そうした公共施設の効率的な管理システムを早期に確立していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続いて、個別の施設の取り組みについて伺います。

 まず、公共施設の中核となる小・中学校について伺います。

 小・中学校は、児童・生徒の教育の場のみならず、災害時には避難所となり、地域活動の場でもあるなど、地域の中心となっている施設と考えます。改めて申し上げるまでもなく、昭和30年代から50年代に集中的に建設された校舎の耐用年数が着実に近づいています。教育委員会だけの問題ではなく、区として学校改築の課題をどのように捉え取り組んできたのか、現在も進めている具体的な取り組みについてご説明ください。

 

  ○(特命担当部長)

 具体的な取り組みについてお答えをいたします。

 学校施設は、今、委員ご指摘のように、教育の場に加えまして、防災拠点や地域活動の場でございまして、地域コミュニティの核となる施設と考えております。小・中学校の改築や改修に当たっては、区長部局と教育委員会とが一体となって、校舎の老朽化に加えまして、社会状況やまちづくりの状況等も踏まえながら確実に進めていくことが重要であると考えております。平成26年度は、教育委員会を中心に、特命担当、施設管理担当、子育て支援部などが連携いたしまして、改築だけでなく、部分的な改築や大規模改修などを含めた葛飾区立学校改築等の今後の進め方や、学童保育クラブ等を含めた必要な機能や面積を定めました葛飾区立学校改築における標準的な施設規模、さらには、建築状況のデータなどとともに建築年次の古い14校につきまして分析を行い、早期に改築する学校、早期に一部改築・改修する学校、今後も改築・改修について検討する学校にグループ分けをいたしました学校改築・改修の候補校についてなどを整理し、議会にご報告をしてきたところでございます

。  平成27年度につきましては、早期に改築を行う学校、早期に一部改築・改修を行う学校に選定しました小松中学校をはじめとする候補校につきまして、基本構想・基本計画をはじめとした具体的な計画の策定に着手をしてまいります。その他の学校についても、早急に老朽化の状況や児童・生徒数の推移などのデータを検証してまいります。

 今後とも、教育委員会を中心といたしまして、特命担当、施設管理担当、その他関連部局が連携いたしまして、学校改築・改修の候補校について選定を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 次に、学校と同じく、昭和40年代から50年代に多くが建設された子育て支援施設の整備について伺います。

 保育園をはじめとし、老朽化が進む子育て支援施設の更新についても、子供たちの安全面から、そして子育て環境の向上からも、更新に取り組むべき課題と考えます。子育て支援施設の整備については、平成25年7月に子育て支援施設整備方針が策定され、民間活用や拠点施設などの整備に当たっての考え方が示されました。待機児の増加など、子育てを取り巻く厳しい状況に対応し、葛飾区の子育て環境を一層向上させていくには、民間事業者との連携協働を積極的に進めながら、計画的に施設の更新を進めていく必要があると考えます。

 また、保育園等、建てかえ期間中も休園することができない施設については、代替施設の確保も重要ですし、将来に向けた子育て支援施設のあり方を検討するには、子育て支援部にとどまらず、関係部署と全庁的視点で調整しながら、新たな需要に対応する機能を構築することが不可欠だと考えます。

 そこで、現在の取り組みの状況と今後の進め方について、考えをお聞かせください。

 

  ○(特命担当部長)

 今後の進め方につきましてお答えをいたします。

 子育て支援施設につきましては、民間事業者の活用や地域の子育て支援の需要、施設の老朽度、代替施設用地の確保等を検討し、平成25年度に定めた子育て支援施設の整備方針に基づき六つの子育て支援施設を整備対象とし、検討を進めてきたところでございます。平成26年度は、この六つの施設について、特命担当、子育て支援部が連携いたしまして、民設民営を予定する新小岩児童館・保育園、本田保育園、亀が岡保育園につきまして、代替施設及び用地に関する方針を踏まえて、それぞれ旧松南小学校プール跡地、渋江公園、東金町にあります土地開発公社所有地を代替施設設置用地としまして、所管部と調整の上、更新スケジュールを定めたところでございます。これらに加えまして、渋江公園に設置する代替施設を活用した東立石保育園の民設民営化、細田保育園の改修についても計画化したところでございます。

 さらに、平成27年度には、残りの三つの子育て支援施設につきまして、子育て拠点施設のあるべき機能について、子育て支援部を中心に保健所や関係各部と連携しながら検討を進めてまいります。その上で、新小岩北地域にあります児童会館、亀有保育園などの子育て支援施設については、周辺にある学び交流館や保健センターとともに複合化による整備計画を進めてまいります。複合化に当たっては、諸室や機能の共有化を図り、コンパクトでありながらサービス向上を図ることができる施設の先行事例となるよう、地元や利用者の意見を伺いながら計画策定を進めてまいります。  また、小菅児童館・保育園、細田児童館・保育園については、保健センターで実施している乳幼児健診等の機能の複合化とあわせ、必要な機能を検討し、更新計画を策定してまいります。

 なお、小菅児童館・保育園につきましては、小菅保健センター跡地を代替施設用地として活用して整備を進めてまいります。一方、細田児童館・保育園につきましては、代替施設の確保など、諸条件の検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 学校改築と同様に、子育て施設の整備と更新は大変重要な行政課題ですので、着実な推進をお願いいたします。

 次に、総合庁舎の整備について伺います。

 総合庁舎は、平時における行政サービスの提供はもちろんですが、近い将来にも発生の危険性があると予測されている首都直下地震の際にも、区民の生命・財産を守っていく拠点として十分な機能を果たすべき最も重要な行政施設であると考えています。そのような立場から、我が会派も、機会あるごとに現庁舎の課題、新庁舎整備に向けた区の考え方をお聞きし、意見を述べてきたところであります。

 そこで、まず伺いますが、新庁舎の整備に向けた検討・準備は現在どのような状況にあるのでしょうか。

 

  ○(総務部長)

 総合庁舎の整備についてのご質問でございます。

 総合庁舎の整備に向けましては、具体的に新庁舎をどういうふうにしていくかということを十分に検討していかなければならないというふうに考えてございます。そこで、平成23年に取りまとめました葛飾区総合庁舎整備のあり方検討委員会、この検討を踏まえて、目指すべき新庁舎像、それから想定する規模、それから候補地などの区としての考え方をまとめ、昨年10月でございますが、区議会にもご報告をさせていただいた上で、総合庁舎の整備基本構想として策定し、公表をしたところでございます。

 その内容でございますが、窓口サービスの向上、それからユニバーサルデザインの推進、防災機能の確保、そういったものを踏まえまして、安心・安全を支えるおもてなしサービスの拠点というのを新しい総合庁舎の理念として考え方をまとめたという段階でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 総合庁舎整備の問題については、これまでも本会議や委員会で伺っております。既に、本館・議会棟は昭和37年完成で、私と同じ年で築52年が経過しており、大分傷みも見え始め、今すぐということでなくとも、いずれ建てかえなければならないことは誰もが理解できることだと思います。

 そこで、改めて確認したいのですが、総合庁舎を改修ではなく改築をするとした必要性について、わかりやすくまとめてください。

 

  ○(総務部長)

 総合庁舎でございますけれども、どのようなものでも形あるものでございますので、時間とともに機能は古くなりますし、老朽化することは避けられないというふうに考えております。総合庁舎も同様でございまして、平成20年度の総合庁舎建築・設備劣化等調査というのがございます。その結果でございますが、そのまま使用した場合でも、空調設備や給排水の設備などの更新とか、それから外壁、防水等の大規模な改修工事が今後必要になるというふうにまとめられております。また、本庁舎でございますが、50年以上前の区役所としての役割とか業務を前提として設計をされておりますので、やはり現在の区民サービスとか区役所機能という点では、機能的にやはり古くなっているというふうに考えております。

 例えばでございますが、庁舎の配置はロの字型になっておりまして、窓口が非常にわかりにくい、それから通路にお客様を待たせるというような基本的な構造になっております。一部、総合の窓口をつくってございますけれども、構造上これ以上の総合的な案内とか区民サービス向上の工夫というのは難しい状況にございます。また、新館の入り口のわかりにくさというのもございます。また、議会の本会議を傍聴する場合にも、非常に暗くて狭い階段を上っていかなければいけないという、そういう方法しかないということでは、バリアフリー対策にも構造上の問題があるというふうに考えております。さらに、災害対策本部としての機能などの防災性能がやはり不足してございまして、問題のあることだけに手を入れて一部改修するということではなくて、抜本的に改善するためには改築をするべきであるというふうに考えてございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 ただいまの説明でも防災性能の不足という話がありましたが、災害発生時における区役所の機能を考えると、耐震性などの災害対策機能はきちんと確保していかなければならないものであります。しかし、一部には、現在の庁舎でも耐震性は十分にあり、江東区や荒川区は免震構造を取り入れて改築ではなく改修を行っているとして改築に反対される区民の方がおりますが、私の認識しているところでは、江東区や荒川区の免震工事は葛飾区が16年も前に行った耐震補強工事に当たるものであり、免震工事によって改築の必要がなくなったものではないはずです。この2区が行った免震工事の内容と現在の総合庁舎の耐震性能は、どのようになっているのでしょうか。

 

  ○(総務部長)

 ご質問にございました江東区や荒川区が行った免震工事でございます。内容としては、柱の途中というか、下のほうに特殊なゴムなどでつくられた免震装置というのを組み込むということで、地震等の揺れを吸収しようという、そういった工法でございます。本区では、平成10年、11年に、本館・議会棟の耐震補強工事を行ってございます。この工事でございますが、建物の外側に耐震ダンパーと言われる、筋交いみたいに見えるものでございますけれども、そういったものを取りつけて建物に強度を加えた工法でございます。江東、荒川両区では、本区が阪神・淡路大震災を踏まえて行ったそういった耐震補強を、現在の耐震工法、免震でございますが、によって行ったというものでございます。したがって、お話にございましたように、免震工事を行った場合でも将来の改築の必要性がなくなったというわけではございません。

 また、耐震補強工事の結果でございますが、現在の庁舎は一定の基準、本館でいくと0.72、新館では0.77という数字、IS値でございますが、それは満たしておりますけれども、大規模な地震があっても直ちに崩壊する危険性は少ないというふうに考えてはおりますが、現在の国の基準による、構造体の補修をすることなく建築物を継続して使用できるというレベルには達してございません。新たな総合庁舎の整備においては、大規模な震災があった場合にも直ちに災害対策本部として必要な役割が果たせるように、この基準をクリアする庁舎にすべきであるというふうに考えてございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 崩壊する危険は少ないとのことですが、東京に直下型の大地震が発生すれば区内全域が大きな被害を被っているものと思います。そのときに、区役所が発災後直ちに機能しなくては大災害に対する適切な対応はできませんし、何より区民の生命の確保や安全な避難、震災被害の拡大防止、そして震災被害者に対する生活支援や災害復興にも大きな支障が生じることになります。したがって、崩壊する危険性が少ないというレベルの耐震性ではなく、災害対策本部となる総合庁舎は直下型の大地震の際にも損害が発生せず、直ちに本部機能が発揮できるというレベルの耐震性をしっかりと確保していただきたいと思います。

 その意味で、災害はいつ起こるかわかりません。3年前に築後60年、10年後を目途に進めていた計画が、現在もおおむね10年後、既に築後63年になってしまいます。いつまでもスタートのわからない、おおむね10年後などとゆっくりとしたことではなく、できるだけ早期に新庁舎を整備されるべきだと考えるところですが、いかがでしょうか。

 

  ○(総務部長)

 10年後というのは何回か繰り返しされて、申しわけございません。総合庁舎の整備につきましては、一定の仮定の条件のもとでの推計ではございますが、約264億円という経費を見込んでございます。非常に多額なお金でございます。一時的に多額になる区民の負担を避けまして、また、今年度までにわたって区民に大きな負担を残さないようにということで、目標としては200億円ほどの基金を積み立てていきたいというふうに考えてございます。今回の補正予算の積み立てによりまして、約79億円の基金残高というふうになりますけれども、やはりまだ必要な金額までには時間がかかります。

 また、基本構想はでき上がったわけでございますが、具体的な候補地における総合庁舎全体の機能とか、それから窓口とか駐車場のあり方など、具体的な詳細な部分にわたってこれから検討していかなければならない項目も多くございます。このようなことから、おおむね10年後ということを目標としてはおりますが、お話にございましたとおり、できるだけ早期に庁舎整備に取りかかれるよう努めてまいりたいと存じます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 先ほどの説明では、総合庁舎の改築の必要性は、耐震性だけでなく、むしろユニバーサルデザインや窓口のわかりやすさなど、これからの区民サービスをさらに向上させる、いわば現庁舎を建設した当時に想定したような行政レベルではなく、これからの時代に合った区民サービスを提供するためにも必要であるとお聞きしました。区民サービスの窓口をできるだけ低層階の2フロアまでに配置する。全ての区民が利用しやすいようにバリアフリーに努め、相談ブースもプライバシーが守られるようにする。さらには、庁舎を区民同士の交流ができる機能としても活用するなど、確かに現庁舎では構造上の問題や床面積の制限があって実現できないと思います。その意味で、新しい庁舎を期待するところは大きいわけですが、今年度に策定した総合庁舎整備基本構想をもとに、平成27年度はどのような検討・準備を進めていく予定なのでしょうか。

 

  ○(総務部長)

 昨年10月に基本構想を策定して以降でございますが、現在は庁舎整備の最優先候補地といたしました立石駅の北口地区を想定して、庁舎整備の実現の方策を引き続き検討しているところでございます。具体的には、今年度は、来庁者の庁内の動線、それから来庁方法、それから駐車とか駐輪台数、そういった基礎的な状況についての調査を進めてまいりましたので、来年度につきましては、窓口フロアを含む各フロアでの必要な床面積の算定とか、エントランス部分で必要とされる規模とか、そういった機能の掘り下げなど、実際に立石の再開発ビルに入った場合に基本構想で想定した内容に不都合が生じないような機能の要件だとか、それから、庁舎整備に当たってのこちらとしての要望事項の取りまとめ、そういったものを行いまして、あわせて、事業の主体であります再開発準備組合への丁寧な説明というものを行ってまいりたいというふうに考えてございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 いろいろ伺ってまいりましたが、区政の喫緊の課題となっている公共施設の整備と維持管理の問題について、政策経営部を中心に全庁的な問題として着実に取り組んでいることは評価します。公共施設がどうなるかということは、利用する区民にとっては非常に大きな問題です。今後も、議会に対して丁寧に進捗を報告し、その意見も踏まえるとともに、多くの区民に区の検討状況をPRし、区民の理解をさらに深めながら進めていくようにお願いいたします。  次に、平成26年度の新規事業のフードフェスタとRUNフェスタについて伺います。

 まずは、去る11月22、23日の2日間にわたり、新小岩公園で開催されたフードフェスタについてお聞きします。  7万1,000人の来場者を迎え、当初の予想を大きく上回ったとお聞きしました。新しいイベントが大成功であったことは大変喜ばしいことですが、私も22日の昼ごろに会場で昼食をとるつもりで新小岩公園に行きましたが、既に長蛇の列で、店舗によっては売り切れの表示が出されており、結局、会場での昼食を諦め、新小岩の駅周辺で食事を済ませました。

 そこでお聞きします。7万1,000人の来場者のうち何名の方が希望する食事ができたのかなど、満足度調査やアンケートを実施したのでしょうか。あわせて、当日の出展者に何食販売できたのかを調査することで、来場者の何%が食事できたかを調べることも可能だと思いますが、いかがですか。

 

  ○(産業経済担当部長)

 開催期間中、延べ500人の来場者の方にランダムでアンケートを行ってまいりました。好評なご意見のほかに、店が早く閉まってしまうということで売り切れが早いとか、長蛇の列で待ち時間が長いといったご意見もいただいております。さらに、出展者アンケートからは、食事提供系の商品販売数が延べ4万1,000食、今回ございました。そういったことから、来場者お一人が1品食事ができたと仮定しますと、約6割の食事提供率があったと認識してございます。  以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 平成26年度のフードフェスタが本当に来場者の満足する大成功のイベントであったかを判断するのは、平成27年度の来場者が今年度の来場者を上回ったときに言えると考えますが、来年度に向けての今年度の反省点や新たな取り組みなどがあったら教えてください。

 

  ○(産業経済担当部長)

 今回のフードフェスタでは、ご来場された方からのご意見、先ほど申し上げましたけれども、そのような反省点、課題として挙げられるのは、先ほども申し上げましたとおり、商品の売り切れ対策、あるいは待ち時間対策、そしてリビジットということで、出展商店の再訪問の推進がございます。このため、商店街連合会、食品衛生協会、観光協会などと構成する実行委員会では、新年度の開催に向けて、商品提供数の確保、提供スピードの向上などの具体策や、リビジット、再訪問を推進するための工夫について既に検討を鋭意進めているところでございます。これら課題の抽出、改善を毎年繰り返すことによりまして、ご来場いただいた方々の満足度の向上や区内の店舗への再訪問の推進を今後も図ってまいります。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 フードフェスタは、来場者や出展者の意見をしっかりと取り入れて、来場者、出展者双方に喜ばれる葛飾区の代表的なイベントとして今後も継続していただきますよう、よろしくお願いいたします。

 次に、3月8日に開催されるRUNフェスタについて伺います。

 私も、ふれあい健康RUN5qに参加させていただきますが、こちらのイベントも多くの参加希望者があったと伺っていますが、各種目の区内在住者と区外在住者の内訳がわかったら教えてください。

 

 ○(教育次長)

 それでは、はじめに、筒井議員さんをはじめ、9名の区議会議員の方にエントリーをいただきました。この場をおかりして、ご協力に感謝申し上げます。

 RUNフェスタの各種目の参加希望者の区内在住者と区外在住者の内訳についてのご質問でございます。

 まず、ふれあいの種目、健康RUNでございますが、2qの親子RUNが、区内在住者が472名、区外が48名。それから、2qのファミリーRUNでは、区内が521名、区外が33名。1qが、区内が79名、区外が14名。3qが、区内163名、区外109名。5qが区内99名、区外が146名。10qが区内198名、区外294名。続いて、タイムを競うチャレンジRUNでございますが、ハーフマラソン男子、区内が560名、区外が1,682名。ハーフマラソン女子、区内が130名、区外342名。それから、10q男子が、区内が180名、区外が529名。10q女子が、区内102名、区外249名。それから、車椅子1q、区内が7名、区外が2名でございます。以上、合計で、全体で5,959人の方にエントリーをいただき、そのうち区内在住者が2,511人、率にいたしますと42.1%となり、非常に多くの区民の方からエントリーをいただいているところでございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 10qやハーフに参加される方は、他の地域で開催されている大会にも出場されている経験豊富な方も多くいると思います。また、距離の短い種目に参加される方は初めての方も多いと思いますが、参加者へのアンケート調査などの予定はありますか。また、受け付けを終了した時点での今後の課題があれば、教えてください。

 

  ○(教育次長)

 参加者へのアンケート調査についてお答えをいたします。

 参加者のアンケートにつきましては、RUNフェスタの運営委託事業者が運営しますRUNNETというホームページ内に大会レポと呼ばれる機能を活用して行う予定でございます。この機能は、ほかの数多くのマラソン大会でも活用されているところで、大会の告知、会場、コース、記録、表彰、全体の感想など、全部で24項目の質問事項や自由に記載できるコメント欄などが備わっているものでございます。そこで、このRUNフェスタのイベントの参加者に対しても、イベント終了後、メールでこの大会レポへの投稿協力を依頼し、その結果を集計することにしてございます。  なお、運営スタッフとしてご協力いただいた区民や関係団体の方に対してもアンケート調査の依頼をし、スタッフ目線でのご意見や感想について集計することといたします。いただいた意見などにつきましては、来年の第2回開催に向けて必要な改善を検討していきたいと考えてございます。

 次に、受け付けを終了した時点での今後の課題についてお答えをいたします。

 親子RUN2qやファミリーRUN2qにつきましては、10月1日から開始した区民向け選考エントリーの期間から非常に好評で、11月4日から開始した一般エントリー後、間もなく定員見込みを上回ったことから締め切りとさせていただいたところでございます。一方、同じふれあい健康RUNの1q・3q・5qの各種目につきましては、定員の見込みを大幅に下回るエントリー結果となったことから、定員の設定方法については、来年の第2回開催に向けて課題があるものと認識しております。今回の第1回開催のエントリー結果をさらに分析し、来年の第2回開催に向けてより多くの方々が希望する種目の定員数をふやすことを含め、検討してまいりたいと思ってございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 これだけのビッグイベントにもなると数多くのボランティアスタッフが必要になると思いますが、どのような協力体制を組まれたのか、教えてください。

 

  ○(教育次長)

 ボランティアスタッフの協力体制のご質問にお答えをいたします。

 イベント当日は、参加者が6,000名をはじめ、大会役員、スタッフ、出展・出演者、来場者などを合わせれば、恐らく1万人を超える方々が来場するものと考えております。そこで、このイベント運営に当たりましては、多くのボランティアスタッフが必要となることから、多くの関係団体に足を運び協力依頼をしてきたところでございます。その結果、各関係団体のご協力により、約600人の運営スタッフのご協力をいただけることになりました。内訳といたしましては、体育協会、スポーツ推進委員協議会、コース沿道の堀切ほか4連合町会、さらには青少年育成地区委員会、青少年委員会、学校では、理科大、聖栄大、南葛飾高校、葛飾総合高校、共栄学園となっております。また、これらの協力団体に対しては、スタッフのウエアや運営マニュアルの配布、それから事前説明会の実施などを通して、従事していただくに当たっての不安解消を図るとともに、当日は各係に運営委託事業者などによるチーフを配置し、指揮命令系統を備えた運営体制を構築し、その中で必要となるボランティアスタッフとしての協力体制を整えたところでございます。  以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 フードフェスタ、RUNフェスタともに、平成26年度に新たにスタートした区民参加型のイベントであり、区民の期待も大きく、ぜひとも継続していかなければなりません。そのためにも、参加した方、出展した方、来場した方、ボランティアスタッフの方々など多くの皆さんのご意見を聞き、平成27年度の両イベントが前年度をしのぐイベントになるよう、さらなるご検討をよろしくお願いいたします。

 次に、キャプテン翼のまち、サッカーのまち葛飾について伺います。  まずは、FCバルセロナスクール葛飾校の開校について伺います。

 先月13日に、区長はFCバルセロナ葛飾校開校発表記者会見を予定しておりましたが、契約締結手続のおくれにより延期になってしまったと聞き、大変残念に思っています。既にFCバルセロナからは開校決定に向けての了承は得ているとのことですので、一日も早く契約締結がされ、広く発表されることを願っています。

 このFCバルセロナスクールの件については、議会の委員会などでも取り上げられ、いろいろと議論がされてきたことはご承知のとおりであります。本区ゆかりのキャラクターの一つであるキャプテン翼の主人公、大空翼君が漫画の中でFCバルセロナに入団するというストーリーから、この葛飾区の地でオフィシャルスクールを実現しようと関係者の方々が努力してきたものと記憶しております。今回長い時間がかかってしまいましたが、スクールの開校が実現に至ったことは大変喜ばしいことであり、関係者の熱意と努力に敬意を表します。

 今後順調に進めば、この4月からスクールが開校されることとなるそうですが、まず確認の意味で伺います。このスクールの主催者とFCバルセロナとの関係、スクールの対象者、区のかかわり方などを改めてお知らせください。

 

  ○(教育次長)

 スクールの主催者とFCバルセロナとの関係についてお答えいたします。

 このスクールの主催者は、四つ木地区の方々で設立した一般財団法人キッズチャレンジ未来です。FCバルセロナとの関係につきましては、この財団がFCバルセロナと契約をして、FCバルセロナ公認のスクールを開校するもので、現地のコーチを招聘して、小学生を対象としたサッカースクールとなるものです。

 区のかかわり方は、葛飾区とこの財団が連携・協働してスポーツの振興と地域活性化を図ることを目的に協定を締結することとしております。この協定に基づき、区は、スクールに東金町運動場多目的広場の利用を認め、財団は、スクール開校を契機として、スポーツ振興及び地域の活性化に貢献していくものと考えております。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 たしか平成23年9月の総務委員会で、区がこのスクール誘致に協力していくという庶務報告を受けた時点では、平成24年4月に開校というスケジュールが示されていました。それから少し時間がかかって今回の開校に至ったわけですが、3年ほどの時間を要した最大の理由は何だったのでしょうか。

 

  ○(政策経営部長)

 ここの部分のご質問につきましては、最初、窓口になっていたということもございますので、私からお答えをさせていただきます。

 3年ほどの時間を要した最大の理由でございますけれども、やはり最終的な決定が、FCバルセロナがどう判断するかであったということでございます。つまり、FCバルセロナが日本で、そしてこの葛飾区でオフィシャルスクールを展開することをどのように考えるかが開校のポイントでございまして、そのクラブ内の合意形成に時間が大変かかったというふうに聞いているところでございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 昨年、何回か短期間のスクールというか、キャンプを実施したと聞いていますが、このキャンプの成果が今回の常設スクールの開校につながったと見ていいのでしょうか。

 

  ○(教育次長)

 一般財団法人キッズチャレンジ未来が、東金町運動場多目的広場を会場として、平成25年4月から26年4月までの間に4回のキャンプを実施いたしました。その結果は、区民はもとより、都内や近県、さらには北海道から沖縄に住む多くの子供たちが参加をいたしました。これらの実績を踏まえて、最終的に葛飾区での常設のスクール開校につながったものと考えてございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 FCバルセロナは確かに世界的なトップクラブであり、メッシやネイマールなどのスター選手が所属していることから、サッカーファンならずとも多くの人が知っているチームです。この知名度を生かして、さらなる地域活性化のきっかけとなることを期待しています。

 だからこそ、区としても積極的にこの開校に協力してきたのだと思いますが、このスクール開校を契機として、区としては今後どのような取り組みを進めていく考えか、お聞かせください。

 

  ○(教育次長)

 区としての今後の取り組みでございます。国内にはFCバルセロナ同様のトップクラブ公認のスクールが幾つかございまして、それらのスクール主催者が地元の小学校での出張のサッカー教室などを実施しております。FCバルセロナスクール葛飾校の開校を契機として、財団でも同様の取り組みを検討していると聞き及んでございます。また、将来的には、この国内にあるトップクラブ公認のスクール同士が対戦する交流大会の葛飾区での開催なども可能性があるのではと考えてございます。さらには、関係部署と連携をして、高橋洋一先生や集英社との協議にもよりますが、例えばFCバルセロナのユニフォーム姿の大空翼君を活用して、ラッピングバスの運行であるとか、新たな銅像設置なども考えられるところでございます。

 いずれにいたしましても、このスクール開校を契機といたしまして、葛飾区の新たな魅力の一つにもなり得る取り組みでございますので、関係者のご理解、ご協力をいただきながら進めていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 少し話は変わりますが、このようなスクールを実施するに当たっては、グラウンドを優先的に利用させることへの反対などの意見を表明した方もいたと記憶しています。地元のサッカー連盟の理解など、どのようにしてきたのか、お聞かせください。

 

  ○(教育次長)

 優先利用のご質問にお答えいたします。

 葛飾区とスクールを主催する一般財団法人キッズチャレンジ未来は、相互に協力して葛飾のスポーツの振興と地域活性化を図ることを目的として、協定書を締結いたします。この協定書に基づき、葛飾区体育施設条例施行規則のただし書きの規定により、財団がスクールの実施のため、東金町運動場多目的広場の優先利用を認めるということになります。この優先利用につきましては、区教育委員会、学校、保育園、それから区体育協会や体育協会加盟団体、青少年地区委員会、PTA連合会などが主催する行事で使用する場合などで認めているところです。

 それから、なお、この後でご質問に出ております南葛SCにつきましても、区のスポーツの振興と地域活性化を図ることを目的として、区、それから区サッカー連盟及び南葛SCを主催するNPO法人との覚書を交わし、この覚書に基づき、にいじゅくみらい公園多目的広場の優先利用を認めております。

 それから、次に、優先利用に対する区のサッカー連盟の理解のご質問でございますが、当スクールの開校に向けて区のサッカー連盟と継続的に協議を重ねておりまして、ご理解はいただいているところでございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 せっかくの事業です。また、葛飾区の新たな魅力の一つにもなり得る事業ですので、関係者の理解を得て進めていっていただきたいと思います。

 さて、キャプテン翼のまち、サッカーのまち葛飾として、もう一つの魅力に南葛SCがあります。キャプテン翼をモデルに、葛飾区からJリーグを目指して活動している男女社会人チームで、2月4日の日刊スポーツで大きく取り上げられたのをはじめ、最近はマスコミにも取り上げられる機会もふえており、キャプテン翼の原作者高橋洋一先生も後援会長になるなど注目されているクラブです。クラブ結成後、初めてのシーズンであった昨年は、男子チームは都社会人3部リーグで惜しくも2位で終わり昇格を逃したものの、女子チーム南葛SCWINGSは都5部リーグで見事に優勝し、4部への昇格を果たしています。今後ますます力をつけて、Jリーグへの夢を実現してほしいと願っています。  そこでお聞きします。今、南葛SCと区の関係はどのようになっているのでしょうか。

 

 ○(教育次長)

 南葛SCは、NPO法人国際サッカー普及育成会が育成しているクラブチームでございます。平成25年1月に、先ほど申し上げたように、このNPO法人と葛飾区教育委員会と区のサッカー連盟の三者が連携・協働して、相互に協力してスポーツの振興及び地域活性化を図るべく覚書を取り交わしたところでございます。同NPO法人では、男女トップチームの運営だけでなく、子供たちのサッカー教室やリーグ戦などを企画運営しており、地域スポーツの振興に多大な貢献をしていただいているところでございます。区といたしましては、今後も実施するサッカー関連事業に対して、施設の優先利用を含めて支援をしていく考えでございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 南葛SCの活動、活躍に高橋洋一先生も大変力を入れていると聞いています。区としても、これまで以上に南葛SCの活躍を後押しできないかと考えていますが、区の見解を伺います。

 

  ○(教育次長)

 次に、南葛SCへの後押しについてお答えをいたします。

 議員のお話にありましたとおり、キャプテン翼の原作者である高橋洋一先生が南葛SCの後援会長として応援していることは承知しているところでございます。今後、例えば地方創生事業の一環として地方都市との連携による地域の活性化が求められている中、原作漫画のように地方代表と南葛SCが対戦をするサッカー大会の開催などが考えられ、将来的には外国チームとの交流大会など、高橋先生の協力のもと検討できれば、キャプテン翼のまち葛飾、サッカーのまち葛飾のPRになるものと考えております。区といたしましては、NPO法人が実施するサッカー関連事業に対しまして、今後も必要な支援を継続的に行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 葛飾区が開催する全国的なサッカー大会を含め、新たなサッカーイベントを企画するなど、これからも地域活性化のきっかけとなることを期待して、葛飾区とFCバルセロナスクール葛飾校、並びに南葛SCとの連携を強化して、キャプテン翼のまち、サッカーのまち葛飾を積極的に推進してください。

 次に、亀有駅南口の整備並びに活性化についてお伺いします。  まず、亀有駅南口のロータリーについて伺います。  亀有駅周辺は、本区北西部の玄関口として、また、交通結節点として重要な位置づけであり、亀有駅では昨今バス便が増加する傾向にあります。公共交通が発達していくことは、まちの発展にも大変いいことだと考えています。そこで、亀有駅南口に乗り入れているバスはどのように推移し、現在どの程度あるのか、教えてください。

 

  ○(都市施設担当部長)

 亀有駅南口を発着するバス路線は、10年前の平成16年度では8路線でしたが、その後6路線増加し、現在は14路線乗り入れております。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 バス便が増加することで交通利便性が向上することは大変喜ばしいことですが、駅前広場の交通状況は常に混雑した状態であり、乗客が降車場でないところで降車せざるを得ない状況も見受けられます。この状況についてどのように対応していくのか、お聞かせください。

 

 ○(都市施設担当部長)

 亀有駅南口に乗り入れたバスは、待機できるスペースが降車場とバス乗り場のほかにないため、乗り場に先発のバスが停車しているときには、後発のバスが降車場の手前で停車し、乗客を降車させている状況も生じております。バス降車場ではないところの降車は、一時的とはいえ、乗客が道路上に出ることになり好ましいことではありません。このため、来年度予定の改修工事により、広場内にバスの待機スペースを設け、指定の降車位置で乗客をおろせるようになり、バス利用者の安全確保などを図ってまいります。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 駅前広場の改修工事を予定しているとのことですけれども、工事の具体的な内容がわかれば教えてください。

 

  ○(都市施設担当部長)

 南口駅前広場は東西方向に細長い交通島が3列並んでおりますけれども、バス乗り場やタクシーの待機スペースなどで構成されております。工事では、一番駅舎寄りの交通島の北側部分、駅寄り部分を削るとともに、南側交通島についても同様に一部を削り、駅寄り交通島北側に2台分、中央の交通島の南側に2台分、計4台分の待機スペースを設置します。また、それにあわせて、南側のバス乗り場も改修いたします。現在、平成27年秋の工事着手を目指して設計等を進めているところでございます。

 以上です。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 今後の計画の中でも、今までどおり地域の声を聞いていただき、ロータリーに関しては、混雑した状況を解消するためにも早期に工事を着手していただくようお願いいたします。

 また、亀有駅南口の課題には、公共交通だけでなく、吹き荒れるビル風の問題もあります。ビル風については、市街地再開発事業以来のことであり、亀有駅利用の通勤・通学者、リリオでの買い物客が20年近くにわたり実感してきたことです。この状況を捉えて、区として何らかの検討が必要ではないでしょうか。区の認識をお聞かせください。

 

  ○(都市施設担当部長)

 南口の風対策については、従前からさまざまなご意見をいただいており、平成25年7月の自治町会連絡会においても地元の町会長さんからご要望をいただいております。風害に対しましては、原因が複合的であることから抜本的な対策はなかなか困難な状況ではございますが、ほかの自治体の取り組み事例なども参考にしながら検討を続けてまいりたいと考えております。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 南口はこのビル風が強いことから、雨の日には強風で傘が壊れてしまうということが起こっています。傘をささずに済むような歩道の屋根設置を、風対策も含めて検討してはどうでしょうか。区としての見解を伺います。

 

  ○(都市施設担当部長)

 ご提案の南口駅前広場の屋根設置につきましては、南口駅前の利便性の向上やバリアフリーの点からも大変有効であると認識しております。設置に当たりましては、位置や範囲、構造、強度などのほか、現在の課題でもあります強風への新たな影響なども考慮する必要があります。また、駅前広場の敷地にJRの用地が含まれていることなど、さまざまな課題はありますが、地域のご意見も踏まえながら、風対策も含めて屋根設置の検討を進めてまいります。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 屋根施設に関しては有効な風対策にもなる施設となるよう、地域の声をしっかりと聞いて積極的に検討を進めてください。  次に、亀有リリオ館の活性化についてお伺いします。

 亀有駅南口地区の再開発事業が完了してから、早20年を迎えようとしています。この間、駅前のリリオ館はさまざまな変遷を遂げてきました。ご存じのとおり、このリリオ館はイトーヨーカドー亀有駅前店をキーテナントとしてオープンいたしましたが、平成22年秋には4階に電気量販店のノジマ電気、5階には100円ショップのダイソーが新たなテナントとしてオープンしております。また、6階はかつては書店や生活雑貨店などのテナントが営業しておりましたが、近年は歯科、耳鼻科、内科、小児科などのクリニックや調剤薬局などがテナントとして入っており、医療モールのような形態に生まれ変わっています。特に、昨年10月には、キャップスクリニックという代官山で人気の年中無休のクリニックがオープンし、多くの人が利用しています。イトーヨーカドーの縮小という状況にはなりましたが、このような状況でもビルを空き店舗にすることなくテナントを誘致してきたことは、区をはじめ関係者の努力に敬意を表するものであります。  本年5月には、2階、3階の部分が家具や生活用品などを販売するにニトリに変わると聞いております。このテナントも人気の高い店舗であり、多くの人でにぎわうことを期待しています。

 そこで、まず伺いますが、区ではこのイトーヨーカドー亀有駅前店の一部縮小をどのように受けとめ、どのような対応をしてきたのか、お聞かせください。

 

  ○(政策経営部長)

 イトーヨーカドーでございますけれども、全体的に厳しい経営状況に陥りまして、一部店舗を閉鎖することになったというものでございます。その中で、亀有駅前店でございますが、全面的な閉鎖というのは免れたものの、売り場を縮小することになったのは、ただいまご質問にあったとおりでございます。

 駅前ビルの衰退でございますけれども、やはり亀有地区の今後のまちづくりに大変影響を及ぼすことから、長期間空き店舗になるなど、まちの活力が失われることのないよう申し入れるとともに、関係者と協力して新たなテナント誘致に努力するよう要請をしてきたところでございます。現在も、区ではビルの管理会社でございます株式会社新都市ライフ、そしてUR都市機構を含め、連携を密に情報共有をさせていただいているところでございます。  以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 引き続き、関係者と連携した対応をよろしくお願いいたします。

 完成から20年近くが経過し、ビルに入るテナントも変わってきています。新たにニトリも入ることが決まり、先ほど申し上げた医療モールなどは一つのコンセプトを掲げてテナントを誘致してきた成功例だと思います。しかし、まだまだ改善の余地は残されているのではないかと考えています。ここで終わりにするのではなく、リリオ館の活性化に向けてさらなる努力をお願いしたいと思います。

 7階には、地区センターのほか飲食店がありますが、活気にあふれているとは言いがたい状況です。人気のある店舗の誘致や、地区センターの前の空間なども有効に活用できるのではないかと思っています。

 そこで伺いますが、この間の教訓を生かして、今後リリオ館をどのように活性化させていこうとしているのか、区の考えとともに、ビルの多くを所有するURなどの動向も含めて、お知らせください。

 

 ○(政策経営部長)

 区といたしましても、今後の亀有地区のまちづくりを考えますと、リリオ館の活性化は大きな課題であるというふうに考えているところでございます。そこで、ビルの多くを所有しますUR都市機構、あるいはビルを管理しております株式会社新都市ライフと情報共有、また、意見交換を行っているというところでございます。

 UR都市機構といたしましても、今後のリリオ館の活性化は大きな課題であるというふうに捉えておりまして、リリオ亀有リノベーションプロジェクトチーム、こういったものを設けて、特に6階、7階部分に着目したリニューアルプランの策定に動いているということでございます。区といたしましては、このリノベーションプロジェクトに今後協力してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上です。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 リニューアルプランとのことですが、現時点でお聞かせいただけることがあったら教えてください。

 

  ○(政策経営部長)

 現時点でまだ具体的なところまで詰まっているということではございませんけれども、商業施設に買い物に訪れるお客様だけではなく、リリオホールですとかスポーツジムに通う客層も念頭に置いて、どのような施設、また、機能が必要なのかを改めて検討していると聞いているところでございます。

 URのほうは、子育て、教育、健康、観光に着目して、単なる商業施設ではなし得ない機能を持った施設を配置したいというふうな意向を持っているということでございます。例えば、本定例会でも議会からご提案をいただいておりますスポーツジムを意識した食や健康に着目した施設、また、医療ホールが形成されていることから、静かな環境を創出する子育て施設ができないかなどの案を検討しているというふうに聞いているところでございます。

 以上でございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 単なる商業施設によってビルを活性化するのではなく、一定の政策意図も加えて、さらなる活性化に取り組んでいこうとする意図は理解しました。ぜひよりよいプランとなることに期待しています。

 このプロジェクトに今後区はどのようにかかわっていくのでしょうか、教えてください。

 

  ○(政策経営部長)

 健康ですとか子育てなどの政策的なコンセプトを持たせることで、区にもこのプロジェクトに参画をしてほしいという要請はいただいているところでございます。このプロジェクトが実現するということであれば、どのような協力、また、協働関係になるのか、今後、UR都市機構と区、また、これからの事業を担う事業者等との役割分担などをこれから協議していくという形になるかというふうに考えているところでございます

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 このプロジェクトはどのようなスケジュールで動いているのでしょうか。

 

  ○(政策経営部長)

 現時点でございますけれども、本年5月に予定をされております2階、3階のリニューアルを踏まえて、平成27年10月、ことしでございますけれども、10月ごろに方針決定することを一つの目安にして検討を進めているということでございまして、今後さらに検討を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員)

 平成28年夏には、こち亀が連載40周年を迎えます。今お話のあったリリオ館のリノベーションプランの中でも、ゆかりのキャラクターこち亀を活用していくことも効果的ではないかと考えます。観光の観点で、これまでの銅像に次ぐこち亀の拠点づくりの一つに位置づけて、URや集英社とも協議していってはどうかと思うのですが。

 

  ○(政策経営部長)

 銅像に次ぐ亀有地区の観光拠点の必要性ということにつきましては、区としても認識をしているところでございます。先ほど申し上げたリリオ館のリノベーションプラン、これを協議する中で、その可能性についても検討してまいりたいと考えているところでございます。

 

  ○(筒井たかひさ委員

 亀有リリオ館は、葛飾区内で最初の大型再開発事業の一部としてスタートした施設であり、亀有だけの問題ではなく、今後の再開発事業の前例、成功例として、活気ある施設を維持できるよう、葛飾区としての全面的な協力をお願いいたします。また、かつしか観光プランを推進するためにも、新たなこち亀の活用法として、亀有リリオ館7階のプロジェクトにぜひともこち亀資料館の活用をご検討いただければと思います。

 以上で私の総括質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。